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牛カツダイアリー

時にはダウナーにいきましょう。

30/09/2016

また自分語りをしようと思う。

 

 

 

小学生活を野球に捧げた俺は特技と言えるものが何もなかった。5年間毎週の仮面ライダータイムを犠牲にし、週末のお出かけを犠牲にし、ひたすら汗と泥にまみれて野球に身を投じたが、その実力は並でお世辞にも特技は野球とはいえ無かった。だけども、野球を通じて得た出会いもあった。

「かっちゃん」。小学野球チームのチームメイトで、小学1年からの付き合い。

彼のカリスマ性は強烈で、いつも彼の周りには人が居た。かっちゃんは優しくて、足が速くて、おまけに爽やかなイケメンで、小学生のモテ要素を全部兼ね添えていた。俺はかっちゃんに完全に憧れていた。小学1年で出会い、それから毎日のように遊んだ。学校が終わると即帰宅、宿題もそこそこにかっちゃんの家に自転車を走らせた。鬼ごっこ、かくれんぼ、キャッチボール。できる遊びは全部やった気がする。小学6年の頃にかっちゃんの家に泊まり込んで徹夜でスマブラをやりながら食べた宅配ピザの味は今でも忘れられない。

かっちゃんは音楽が好きだった。小学6年の夏、いつも通りかっちゃんの家に行くと俺にギターを披露してくれた。衝撃的だった。なんだ、かっちゃん、かっけぇ。その日から俺はギターに興味を持った。家の押入れから古ぼけたアコギを引っ張り出し、親父にギターを教えてくれとねだった。コードを幾つか覚えてやっと音楽の真似事が出来始めた頃、かっちゃんは信じられないくらいギターが上手くなっていた。やばい。ギターじゃかっちゃんに追いつけない。そう思っていた折、ひょんなことからクラスの学芸会でドラムをやることになった。ドラムを叩くという経験は本当に刺激的だった。ドラムの魅力にすっかり取り憑かれてしまった俺は、中学1年の夏に10年間貯めたお年玉を使って電子ドラムを買った。これでかっちゃんと一緒に音楽ができる。そう思ってワクワクした。結論から言うとかっちゃんとは一度だけしか一緒に音を鳴らすことは出来なかった。

コブクロの轍。2人で練習して2人の母親に披露した。こんなに生き生きした2人を見たことがない、と言われた覚えがある。事実俺たちは最強だ、とまで思った。これからどんどんこの部屋で音を鳴らしていくのだと思っていた。それは叶わなかった。かっちゃんは引っ越してしまった。隣町の丘の上。今からすれば大した距離じゃない。でも同じ中学に通えなくなった2人の間にできた壁は大きかったのかもしれない。それからあまり遊ばなくなった。俺には俺の生活がめまぐるしく始まり、かっちゃんは自分の道をこれまで通り歩いていた。

それから、高校1年の頃に一度だけ電車であったきり、かっちゃんの姿は見ていない。

ドラムと並行して、「俺だって」の一心でギターを練習していた俺は今ではそれなりにギターが弾けるようになった。あの頃のかっちゃんよりも随分。でもあの頃感じた、友人に対するキラキラした尊敬の気持ちは今でも忘れていない。忘れられない。

いつかギター上手くなって、かっちゃんと2人で歌を歌うんだ、って気持ちも忘れちゃいない。

彼が「やるよ」ってくれた、ジムダンロップの赤のおにぎりピックは今でも宝物だ。

彼が元気でいることを心から祈る。

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俺、上手くなったよ。